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「先生って、いつも腕と脇が離れていますけど、何故なんですか?」

ある日突然、小柄な女医さんに質問をされました。

そう、ちょうど上記画像のように、常に僕は脇が閉じず仁王立ちしているように見られてしまいます

これはトレーニングの結果発達した広背筋、上腕二頭筋、大胸筋によって脇のあたりのスペースが取られていて、物理的に腕がどうしても開いてしまうため、脇を閉じることができないのです。

その旨を女医さんに伝えると

「なるほど閉じたくても閉じれないんですね(笑)」

とクスクスと笑っていました。

この会話でわかったことがあります。

それは、筋肉質な医者は意外と仕事がやりづらい時があるということです。

今回のように、物理的に脇が空いてしまうことで「肩で風を切って歩くような歩き方」になってしまうこと以外にも、弊害がたくさんあります。

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1、単純にデカくて邪魔

最も困るのが、物理的なボディサイズが大きい事でスペースを多く取ってしまう事です。

救急外来で1人の患者に対して何人もの医師で処置している時や、カテ室やオペ室の狭い術野など、狭いスペースで医療行為を何人もの医者が行う際、単純に邪魔になってしまいます。

僕が人間1.5人分くらいのスペースを取ってしまうため、僕と似たような医師がもう1人来ると、スペース的には2人で3人分です。治療に参戦できる医師が1人減ってしまいます


2、すれ違う時に肩が当たる

階段など狭いスペースですれ違う時、お互いかなり寄ってもたまに肩が当たってしまいます。

1度こちらがかなり急いでいて、思いっきり肩が当たって相手が階段から転倒してしまうという、アクシデントも経験した事があります。

以降、階段ですれ違う時、まるで初心者マークをつけた車が縦列駐車する時のように、ゆっくりゆっくりすれ違うようにしています。

これは院内に限らず、バスや電車でも周りの方々に迷惑をかけていると思います。

なのでなるべくタクシーや自家用車を使うようにしています。


3、エレベーターに乗れる人間の数が1人減ってしまう

病院でエレベーターほど人気の乗り物はありません。

基本的に病気や怪我の人が来る場所ですし、高齢者も多いのでほとんどの人はエレベーターを使った移動が必須です。

なので僕もなるべく階段で移動するよう心がけていますが、それでも荷物を持っていたり患者を搬送していたり、ものすごく急いでいたりすると、エレベーターに乗らざるをえない時があります。

そんな時エレベーターに僕が乗ると、ぶっちゃけ小柄な高齢者の方2人分のスペースを取ってしまいます。重量的にも2人分です。

結果、エレベーターに乗ることができる人の人数が、1人減ってしまいます。


4、上司に「暑苦しい」と言われる

上司と狭いところで治療や処置をしている時、暑いと言われてしまいます。

研修医の時、僕が術野に入るオペでは指導医がいつもよりオペ室の温度を1℃下げていたということを後から聞きました。それでも術中さらに下げてたけどね。


5、服のサイズが合わない

支給される白衣、オペ着など、得てしていずれもサイズが小さく感じます。

特に肩、腕周りの取り回しが悪いと、処置がしにくいので困ります。

あとは、たまにオペ着が破れます。

脇のあたりの縫い目が裂けてしまう時があります。


6、オペ室で電動の消毒液が勝手に肩にかかる

オペ室の手洗い場の横についている消毒液、あれが肩にかかります。

1番壁側で手を洗っていると、ウィーンウィーンという音共に僕の肩を自動で消毒してくれます。

それ以降なるべく1番壁側で手洗いをしないようにしているのですが、たまに忘れてスッと入ると、肩がビチョビチョになっている時がありますね。


7、院外で私服の時に医者っぽく無い

少し前警察の人に軽い違反で捕まってしまった際、免許証とともに職業を尋ねられたので医師だと答えると、まあ信じてくれませんでした。

勤めている会社を知られたく無いからといって、別の職業をいうのはやめなさいと。

しばしグダグダがあって、たまたま持っていた医師免許証のコピーを見せたら信じてくれました。

「体格もいいし見た目的にも建設業者の現場とかで働いている人だと思いました、すみませんでした」

と謝ってくれました。

他にも色々と、パッと見で医者っぽくないのか、院外で自分が医者だと言っても疑う人の方が多い、ということがわかりました。

きっと色々な要素があるとは思いますが、やはり世間一般に「医者といえば眼鏡で白くてヒョロめ」という認識があるのか、筋肉と体格の良さがその要素の一角を担っていることは間違い無いでしょう。

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とまあ、筋肉系ドクターの悩みはつきません。

しかし、筋肉にはこれらのデメリットを打ち消して有り余るメリットが存在します。それについては、もう2015年の記事ですが下記記事を一読していただけたらな、と思います。

医師をはじめとする医療従事者の趣味として、5つの理由から筋トレをオススメしたい
http://outer-storage.blog.jp/archives/40737302.html

いきなりですが、いきなりステーキって安くて美味しいし最高ですね。