買ったら利益だけ生み出してくれる、買ったことを忘れて放置しておくだけで利益を生み出してくれる、そういう銘柄を買って寝ていたい。

そう思う投資家は多いはずです。誰でもラクをしたいのが人間です。

その願いを叶えてくれる1つの選択肢が、割安のストック型ビジネスを展開している会社です。

ストック型のビジネスモデルとは、僕の中で「何か物やサービスを売る努力をする必要がない、常に一定の需要がある」ビジネスだと定義しています。

さらに欲を言えば、その需要の依存先が特定の会社に依存していればより良いです。

そんな企業が、割安で放置されていたら買います。

ストック型のビジネスモデルは「売る努力をしなくても一定額が入ってくる」ビジネスであり、安定収入があります。なので一般的には割安で放置される事は少なく、むしろやや高止まりする傾向にあります。

ビジネスモデルについては 図解 ビジネスモデル大全 (洋泉社MOOK) などを参考にしてみてください。

もし株価が上昇すれば、ビジネスモデルが安定しているため、自分目線配当利回りが上昇する可能性が高いと言えます。

自分目線配当利回り10%銘柄を作り出せ
http://outer-storage.blog.jp/archives/73430511.html

買うべき割安ストック型ビジネスの株は、いくつか存在します。

まず単純に割安である場合。ストック型ビジネスモデルでありながらネットネット株であったり、ネットネットまではいかなくても、PER10倍以下PBR1倍以下のような水準であったりする場合です。

ただこの割安の原因が、明らかなビジネスの失敗や、財務面で倒産リスクがあるとか、そういったファンダメンタルの毀損にある場合は監視銘柄に留めておきましょう。

次に、グロース株でありながらビジネスモデルがストック型であり、PEGレシオが低い場合。個人的にはPEGレシオ1倍以下で今後の成長も見込まれ、かつストック型ビジネスモデルを十分意識していたり今後拡大させる意欲のある会社は買います。

PEGレシオが1〜2倍の場合、財務に多少問題がある場合などは監視目的単元株保有に留めます。

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例えば、クックパッドという会社があります。

クックパッドはレシピサイトを運営する会社で、会社が保有するレシピコンテンツにアクセスしやすくするために月額料金を支払うユーザーが一定数おり、それにより利益をあげています。完璧なストック型ビジネスモデルで、利益率も30%近くある超優良企業なのですが、ここ最近株価が低迷しています。

1株あたり純利益が30円程度の予想なので、PER20倍だとすれば1株600円です。記事執筆時現在、631円まで低下しています。

ちなみに最高値は2880円でした。この水準はめっちゃくちゃ割高でした。

しかし最近、順調に増えていた有料会員数が減少に転じました。

また、デリッシュキッチンなど料理ショートムービーを展開するサイトが台頭してきており、クックパッドも追随していますが苦戦を強いられています。

デリッシュキッチン
https://delishkitchen.tv/

そして社内でのいざこざもあって、結果的に株価は大きく下げ、2014年の水準にまで低下しています。

このように、超優良な数字を叩き出しているストック型ビジネスモデルでも、割高である場合は妥当な水準まで株価は下がってきてしまいます。

ちなみに僕は、この会社の株を800円くらいで買いましたが、下げ止まらないため700円くらいで売りました。

やはりストック型のビジネスモデルの根幹が揺らいだ(料理のショートムービー流行と同時に、順調に伸びていた有料会員数が減少した)ため、そこに価値を見出して買った株は手放さなければなりません。

このような失敗をしないためにも、僕は割安のストック型ビジネス株を1つの大きなカテゴリとしてPFに組み込んでいます。