初期研修病院を決めるにあたって、こんな状態になる事はありませんか。

いくつかに絞ったけど、その中から絞る事ができない

僕はありました。

今振り返ってみて、どういう決め方をするのが最も効率が良いのか、頭の中が整理できたと思いますのでここに記しておきます。

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方法

①病院をパラメータ分類

まず、行きたい研修病院を、下記のパラメータで分類します。

1、給料の高さ
2、残業時間の少なさ(土日勤務、当直の多さ、就業時間)
3、都会度
4、症例数の多さ
5、救急の充実度

具体的には、下記のように分類し点数化します。

1、給料の高さ
 1点=年収〜300万
 2点=年収300〜400万
 3点=年収400〜500万
 4点=年収500〜600万
 5点=年収600万〜

2、残業時間(土日勤務、当直勤務、定時以降の就労時間合計)の少なさ
 1点=200時間〜(毎月)
 2点=150〜200時間
 3点=100〜150時間
 4点=50〜100時間
 5点=〜50時間

※当直は1回で約15時間の超過勤務になる計算です。

3、都会度の高さ
 1点=へきち
 2点=田舎
 3点=普通
 4点=地方都市
 5点=札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡

4、症例数の多さ
 1点=少ない
 2点=やや少ない
 3点=普通
 4点=やや多い
 5点=多い

5、救急外来の充実度
 1点=研修医はノータッチ
 2点=やるにはやる程度
 3点=普通
 4点=力を入れている
 5点=指導体制を含め、かなり充実している

これらの項目を、見学中に働いている研修医に質問して、きちんとデータをとってください。

給料と都会度はネットで確認できますが、その他の項目は働いてみないとわからないはずです。

(例)都立バリバリ病院
1、2点
2、1点
3、5点
4、4点
5、4点

(例)地方市立QOL病院
1、4点
2、5点
3、2点
4、2点
5、2点


②自分がどの項目を重要視するか、パラメータ分類

次に、上記5項目のうち、自分にとって重要だと思うものに高得点をつけてください(最低1点、合計15点)。

(例)Aくん:とにかくQOL重視派
1、給料の高さ=5(重視)
2、残業時間の少なさ=5(重視)
3、都会度の高さ=3
4、症例数の多さ=1(どうでもいい)
5、救急の充実度=1(どうでもいい) 合計15点

(例)Bくん:都会で救急メインでバリバリやりたい派
1、給料の高さ=2
2、残業時間の少なさ=1(どうでもいい)
3、都会度の高さ=4
4、症例数の多さ=3
5、救急の充実度=5(最重視) 合計15点




③、①と②で算出した点数を、1対1対応させて掛け合わせ、合計点数を算出する

上記2つの病院について、Aくん的には

都立バリバリ病院の点数:38点
5×2=10点
5×1=5点
3×5=15点
1×4=4点
1×4=4点

地方市立QOL病院の点数:55点
4×5=20点
5×5=25点
2×3=6点
2×1=2点
2×1=2点

で、Aくんにとって地方市立QOL病院の点数が高く算出されました。

Bくんは

都立バリバリ病院の点数:57点
2×2=4点
1×1=1点
4×5=20点
3×4=12点
5×4=20点

地方市立QOL病院の点数:35点
2×5=10点
1×5=5点
4×3=12点
3×1=3点
5×1=5点

で、都立バリバリ病院の点数が高く算出されました。


④点数が高い順にマッチング表を上位から書いていく

マッチングのアルゴリズム上、行きたい病院を上から順番に書くことが最も効率的です。そのため、上記で算出した点数が高い順にマッチングを書くのが、最も効率的だと思われます。

この計算の理論としては、まず病院には個体差があります。給料が高くて残業は少なくて救急は学べて指導医もいて、という病院もあれば、その逆もあるかもしれません。(概ね市場原理で、こういう病院は人気が出るため給料は低いというのが相場ですが。)そのため、点数は絶対値で算出しています。

次に、個人個人でどの要素を重要視するのか、それは大きく異なります。自分の中でどれにどれだけウェイトを置いているか、「重要だと思う度合」というのは相対値なので、個人の表は最大15点とすることで相対値評価としています。

個人の「重要だと思う度」と、実際の病院の点数をかけあわせることで、点数に大きな差が生まれます。

例えば、給料を重要視している(7点)人と、どうでもいい人(1点)にとって、年収600万以上の病院(5点)は、前者は35点、後者は5点という差が生まれます。

つまり、自分が重要視している部分の点数が高い病院が、高評価となる計算方法なので、この合計点数が高い=自分の要望に近い、ということになります。

「受かりやすい、にくい」を一切排除して、点数が高い順にマッチングを書くことで、「自分がいける(研修病院の試験で採用される)範囲で、最も自分の要望に近い病院に行ける」ことになるはずです。

これから初期研修病院を決めようと思っている学生さんは、参考にしてみて下さい。