初期研修を終え、無事後期研修医(専攻医)になってはや半年、少しずつ業務にも慣れてきました。

最初は慣れない事も多く、結婚キツいです。
また少なからず「その道のプロ」という目で見られるので、外部からのプレッシャーも責任も強くなります。研修医時代の同期も、そこそこ苦労しているようでした。

さて、初期研修を終えると、ほぼ確実に何らかの形で非常勤バイトをする事になると思います。

非常勤バイトは病院や医局から斡旋されるものと、インターネット上から自分で非常勤バイトを探す方法があります。

そこで、僕が思ったのは「医師賠償責任保険に入るべきかどうか?」という点です。

個人的には、僕は保険という商品があまり好きではありません。

なぜならば期待値的に、基本的にやればやるほど損をするからです。

日本のように医療費が安い国で医療保険に入る人の気持ちもわからなければ、マンションをローンで購入していて団信に入っているのに生命保険に入るサラリーマンの気持ちもわかりません。

同じように、医師賠償責任保険も入らない方が得だろう、そう思っていました。

しかし、実際3年目で非常勤バイトをするようになって、少しずつ恐怖を感じるようになりました。

恐怖が邪魔して判断が遅れたり、患者さんに不利益があってはなりません。その恐怖を拭うため、医師賠償責任保険に加入するかどうか、悩みました。

医師賠償責任保険は民間医局が有名ですね。

そこで、医師に対する医療過誤訴訟について少し調べてみて、妥当性を判断してみました。

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医療訴訟を起こされる確率は10%

外部サイトによれば、医師の10%、つまり10人に1人は医療訴訟に何らかの形で関わる事になってしまったようです。(わかるかいご:http://wakarukaigo.jp/archives/6381)

中には裁判まで行かず和解金で終わったケースも含まれているようですが、いずれにせよ患者サイドが「法的手続きを取る」と踏み込んだ判断をして、それの矛先になる可能性が10%となると、これは決して低い確率ではないな、という印象です。


医師の敗訴率は20%

外部サイトによれば、医療訴訟の原告の勝訴率は20%、つまり病院や医師が裁判で敗訴する確率は20%だそうです。(弁護士ドットコム:https://www.bengo4.com/iryou/1117/n_1106/)

つまり、一生で医師が裁判を起こされて、かつ敗訴する確率は、各々が独立した確率だとするならば10%と20%をかけて2%という事になります(示談を含まない)。

つまり、大学の同級生のうち100人中10人は裁判を起こされて、うち2人は敗訴する、という事になります。


裁判を起こされた時の「安心」を買う

確率的に2%はかなり低い確率ではあります。ただ、ここで保険に入らないと考えるのはいささか早計だと思われます。

まず万が一発生した場合のリスクはかなり大きいです。1回で億単位の金額になる事はままあります。

また、仮に裁判になった時、「保険がある」という安心感があるかどうかは大きいと思います。

裁判は数年のスパンで行われます。

その際

「20%の確率で敗訴するけど、保険があるからお金は大丈夫」

という心理状態になるか

「20%の確率で1億円失う…」

という心理状態になるか。

この心理的安定をお金で買えるという部分は大きいでしょう。

詳しくは新ブログのページ(https://moneygairai.com/hokenseiri/)を参考にしてみて下さい。



考えた結果、医師賠償責任保険に加入する事にしました。