とある看護師さんと話をしていました。そこで、医師のバイト代の話になりました。

医師のバイト代は時給数万円で、2・3日のバイト代が私の月給と同じくらい、これは理不尽でおかしい、という話でした。看護師という3K(きつい、きたない、きけん)の労働で、かなり辛い労働を強いられているのに、なぜ給料の格差がここまであるのか、と。

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本質的に、労働の苦痛度合い=労働対価、ではありません。苦痛度合いの高い労働は、やりたがる人がいないので、需給バランスが崩れた結果、労働対価が上昇する、というロジックがあってこそで、本質的には需給バランスで労働対価は決まっています。


参入障壁の低い職業は、労働の苦痛度合いが高くても、それほど労働単価は上がりません。需給が崩れにくいからです。

マトリクスで考えると以下のようになります。

1、大変な仕事+やれる人が少ない仕事=労働単価は高い。
2、大変な仕事+やれる人がたくさんいる仕事=労働単価はそこそこ。
3、簡単な仕事+やれる人が少ない仕事=労働単価はやや高い。
4、簡単な仕事+やれる人が多い仕事=労働単価は安い。

例外的に、上場企業の社長などは、仕事の大変さに関わらず、同じことをやれる人がかなり少ない、限られた人しかできないため、労働単価はかなり高いはずです。

つまり、仕事の大変さは、人材希少性の次に来ます。なぜなら労働単価は、あくまで需給バランスで決定されるからです。人材希少性がとにかく高い、この人しかできないという仕事の場合、仕事がラクでも労働単価は高くなります。逆に、人材希少性がそれほど無くて、ものすごく大変な仕事というのは、実はそれほど労働単価は高くありません。

なので、ラクでも高給、という仕事は存在します。


逆に、需給ボリュームが低い、競争に晒される前の市場でワンマンプレイヤーとして働いている場合、無敵です。

少し前は投資銀行のクオンツなどがそうだったようです。徐々にネットが発達し、特殊なスキルを持つプログラマもかなり高給だったと聞きました。今はビッグデータやAI、機械学習や自動運転などの分野で、そういった仕事が生まれるのだろうな、と思っています。


そして、この労働単価の変動というのは、もはや時代の流れによる自然現象であって、地震や津波のようなものです。嘆いていても仕方なくて、誰も解決してくれません。具体的な解決策を自分で導くことが重要だと、僕は思っています。

自分なりに時代を読みつつ、別の自分にしかできない仕事に変えるのか、より希少な人材になるために修行を積むのか、それとも新しい仕事を作り出すのか、はたまた労働賃金以外で金銭を得るのか、何かしらの方法を考え実行する必要があります。

また近年は看護師の働き方も多様化しており、看護師としての生き方も様々です。

例えば美容ナース辞典というサイトでは、美容の看護師さんとして生きていくキャリアについて書かれています。給料も一般的な看護師さんよりは良いようですね。

他にも看護師投資ラボという、同じ人が書いているサイトでは、看護師が投資をしながら生きていく方法について、書かれています。

医師だけでなく看護師も、今までのキャリアパスにとらわれず、自分で考えて自分で道を切り開いていく事が注目される、時代になりましたね。