ー20代男性、医学部5年生さんからの質問です。

こんばんは。医学部5年の者です。いつもブログを拝見させていただいております。

私の大学では、2次救命(ACS)について先輩(6年生数名)から数回にわたって教えてもらう勉強会が毎年開かれています。友人から誘われたことと、以前Ras先生が救命について学ぶ必要性について話されていたこともあり、私もこの勉強会に今年参加することにしました。

勉強会がさっそく始まったのですが思っていた以上に内容は多く(気管挿管の手順など)、最後の勉強会での実技試験と筆記試験に向けて思っていた以上に勉強しないといけないと思いはじめました。

2次救命についてこれから学び、実践する上でのアドバイスなどあれば教えていただきたいと思います。

よろしくお願いします。

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こんばんは。素晴らしい試みですね。

僕も大したアドバイスができるほどの年数も経験もありませんが、あえて言うならば「これからの医師人生で使えそうな知識はクラウドアプリにまとめる」手法をオススメします。

研修医時代のオススメ勉強法
http://outer-storage.blog.jp/archives/67875717.html

昔では考えられませんが、今の時代はもう記憶はクラウドにアウトソースできるようになりました。たまにしか使わない知識を無理に人間の脳の少ない記憶容量に押し込めておく必要はありません。

それがクラウドであれば、スマホ、タブレット、パソコンいずれかのデバイスがあればアクセスできるので、非常に便利です。アクセスが容易であるため、自分の脳に記憶させる手段としても便利です。記憶は繰り返し繰り返し記憶を試みることで、海馬のテタヌス刺激が繰り返されより強い記憶になります。いちいち家に帰ってノートを見ないと確認できない情報なのか、Twitterを閉じてEvernoteを開いてサッと確認できるのか、これは雲泥の差です。

逆に言うと、まとめて放置ではダメで、たまに電車に揺られながら、バス停でバスを待ちながら、カフェで本を読む休憩がてら、スマホでちょいちょい自分の書いたテキストデータを眺めてください。覚えられます。

この手法の良いもう1つの点は、古い知識を正確に書き換え正確に記憶を保持できることです。ACSの知識もアップデートされますから、まとめたデータを将来、進化したACSを学んだ後に書き加えるなり書き換えるなりして、クラウドの情報もアップデートしていけます。

もう、記憶はアウトソースする時代、外部記録する時代なのです。


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余談ですが、大学時代の夏休み、救命措置を学んで「俺は医者になるんだ」と息巻いていた時に、まさかの実践から始まった記憶があります。

トボトボ歩いていたら人が倒れており、どうやら意識がないそうでした。近寄ってみると息はしておらず、瞳孔もやや開き気味。これはまずいと思い、救急車を近くの人に呼ばせて、救命措置を開始しました。

人が足りず、下顎挙上の仕方を僕が教え「ここで持っててください」とそこら辺の人に持たせ、付添人の人がmouse to mouseで人工呼吸をためらわずにしてくれたので、僕は心マに徹しました。通行人2人にも下肢挙上を手伝ってもらいました。今思うと、明らかな外出血ではなくボリュームが足りていない状態ではないと推察される状態で、素人の不十分な換気下で気道周囲の静脈鬱滞を来たす可能性がある下肢挙上が必要だったかのかは、うーん、と思いますが。

こんな感じで、学んだ瞬間いきなり実践にほっぽり出されるという、神のイタズラとしか思えないシチュエーションに出くわすかもしれません。

頑張ってください。

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