医者は高収入、医者は聖職だから金銭を求めてはいけない。

そんな風潮と無意識が世の中に蔓延っている気がする、高齢化社会を迎える日本ですが、果して本当にそうでしょうか。勤務医として日夜働いている先生方は、同意できるでしょうか。僕はノー、思ったより医者は高収入ではないし、医者も人間でありある程度の見返りがないとやってられないと思っています。

一部に本当に聖人のような先生もいらっしゃいますが、僕は普通の人間ですし、おそらく大半の人は聖人ではなく人間だと思っています。

そんな、社会からの目が避けられない「お医者さん」だからこそ、若いとき、特に20代から(こっそり)貯蓄・運用する事が大事だと思い、僕は実践しています。



1、若い時からキャッシュが潤沢であり(財務性質上は)投資に向いている

他の職業と比較しても、医師免許を取得してから3年で約1000万を超える事が多く、他のどの職業と比較しても若年から高収入を得る事ができます。ただ、そこから先が伸び悩む事が多く、大手広告代理店や総合商社、コンサルや投資銀行あたりの同級生には30代で年収を抜かれる事になりそうです。

しかし、若い時のキャッシュが潤沢である、というのは投資に於いてかなりの強みです。なぜならば、潤沢な資金で投資を始めた方が、複利が効いてくるからです。

問題です。以下の2つの内、どちらをもらいたいですか?

1、いますぐ1億円もらえる
2、毎月30万円、30年もらえる
 
1の場合すぐ1億円、2の場合30年かけて1億800万円。合計で多い2が得なのでそちらをもらいたい。

と思った人は、残念ながら資本主義・市場原理から考えると不正解です。1億をすぐもらって、それを年5%で30年運用すれば約4億3千万になりますので、こちらの方が明らかに得です。

なお、地球の経済成長率は年間2〜3%なので、5%の運用はそれほど難しくありません。

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この図はとある3人の貯蓄を10年間、年次でシュミレートした画像です。イメージとしては下記のとおりです。

A 100万円/年を貯蓄、特に運用をしない、普通のサラリーマン or 散在しまくりの医者。
B 200万円/年を貯蓄、年5%で運用した、頑張ったサラリーマン。
C 500万円/年を貯蓄、年5%で運用した、医者。

ここでの比較で重要な事は、医者はAかCに分かれるという事です。その差は、サラリーマンのBのケースと比較すればわかりますが、かなりの差が開きます。この差は若い頃のキャッシュが大量である事、そこに複利がのっかってくる事に起因します。

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A 100万円/年を貯蓄、特に運用をしない、普通のサラリーマン or 散在しまくりの医者。
B 200万円/年を貯蓄、年5%で運用した、頑張ったサラリーマン。
C 500万円/年を貯蓄、年5%で運用した、医者。
D 500万円/年を貯蓄、年10%で運用した、兼業投資家ドクター。

上記のグラフにDを追加しました。ここで注目していただきたいのは、CとDの差は、A or BとCの差に対して軽微であるという事です。重要なのは運用利率ではなく、いかに貯蓄し元本を増やし、かつ運用を行うか行わないか、この差が大きいという事です。

以上から、若い頃からキャッシュが潤沢な医者という職業に就いている人ほど、若い頃の貯蓄と運用が重要で、その差はサラリーマンのそれに比べて大きい、という事がわかりました。


2、社会とのギャップに対応できる

上記のように、早めに貯蓄し運用する事で資産を築けば、お医者さんはお金持ち、という社会の認識と現実のギャップを埋める事ができます。実際はそこまでお金持ちではない、という状態から、まあ想像通りくらいのお金持ち、になる事ができるでしょう。

社会的なギャップが埋まる事で、取り除かれるストレスのようなものがあると思います。飲み会代が高くても、医学書が高くても、きっとさほど気にならなくなるハズです。


3、仕事に集中できる

お金の事を気にしなくて良いので、仕事に集中できます。給料で職場を選んだりする事なく、純粋に医学的な興味で職場や医局を選ぶ事ができるでしょう。

また、お金を稼ぐために「せっかくの休日にバイトを入れる」という事もしなくて済むようになれば、健康と余暇も手に入れる事ができます。

時を売って金に変える人にとっては、金は時を産みます。

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2017年から個人型確定拠出年金の採用枠が広がり、運用を開始した公務員の人もいると思います。他にも住宅ローン控除など、税制上の優遇策を利用しつつ、貯蓄を堅実に行い運用する事はこれからの時代に確実に求められるでしょう。

日本は債務を縮小化させるために、インフレを起こすしかありません。この大きな流れは止められないと思います。この恩恵に最も預かれる若年世代には、日本に於いて「医師」という職業に就いている人々が含まれているのは間違いないでしょう。

新ブログである「お金の外来」(https://moneygairai.com/)では、僕が実行している株式投資や不動産投資などに関する情報をまとめています。

勤務医がどこまで経済的に豊かになれるのか。実験中です。

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