賛否両論のララランドだが、個人的にはかなり面白かった。ララランド賛否の「賛」側の意見として、よかった点とその理由を考えてみた。

※ 以下ネタバレ含みます。



1、共感チャンネルが多い

まずどんな映画であったかというと、主人公達は各々が夢を持っていて、困難に晒されながらも諦める事なく食らいつく。そしてお互い成功を納めるが、最終的には結ばれなかった。そしてそこに、ミュージカルの要素が含まれていた。こんな映画であった。

この映画を観て、共感できる、面白いと感じる人は以下のようだと予測される。

  • 達成し難い夢を持っていて努力している人(昔持っていて達成した人、諦めた人)
  • 結ばれなかったが忘れられない人がいる人
  • ミュージカルが好きな人

例えば「夢に向かって努力を続けている劇団員、大学受験生、スポーツ選手」などはもちろん、「昔つきあっていて愛し合っていたが、諸事情により別れてしまい、まだ忘れられない女性がいる中年男性」だって共感できただろう。

またミュージカルが好きな人も楽しく見る事ができただろう。

つまり多くの人が過去の自分と重ね合う部分を持っている。共感できる人の多さ、というよりは、老若男女が共感できる、共感チャンネルが多い状態であった、という表現が正しいかもしれない。


2、完全なミュージカルではない

どこかの記事で「ミュージカルとしては低レベルで不完全」というような意見があった。確かにヘアスプレーなどの映画と比べると、ミュージカルがメインではないように思われた。僕は逆に、これが良かったのだと思う。

ミュージカルとしての要素はオマケの楽しさで、単なる恋愛映画にエンタメ要素を足しスパイスを効かせる、くらいの意味合いであったように思う。この映画がミュージカル抜きだったらどうか、と考えると、少し味気なく暗めの作品になってしまった気がする。ストーリーが完全なハッピーエンドではないため、その暗さを消すためのスパイスとしての役割が、ミュージカルにはあったと思う。魚の生臭さを消すためのコショウのように。

もちろん、ミュージカルマニアにとっては物足りないのかもしれないが、ミュージカルマニア以外の人にとってはそれで十分だった。


3、ストーリーが現実的

いわゆるアメリカ映画にありがちな、すべての困難をクリアした2人が無事結ばれハッピーエンド、という王道をあえて外している。

「まあ実際の人生と恋愛って、こんなもんだよね」
「全部が全部うまくいくなんて、ないよね」
「世の中どうにもならない事ってあるよね」

という声が思わず漏れてしまうような、ストーリーとしてのリアリティがあった。この手の恋愛映画は現実離れしがちだが、あえて王道を外し現実によせる事で、より共感しやすいと思われた。

またこういうような、王道を外す映画にする事である種の新鮮さをあたえてくれた。恋愛映画を見慣れている人からすれば、その新鮮さが良かった、という意見もあるかもしれない。


結局のところ

長所と短所は裏返しである。例えば誰とでも仲良くなれる気さくな性格、という長所は、誰に対しても八方美人である、という短所とも言い換えることができる。

上記の項目もネガティブに捉えれば、ミュージカルとして不完全な、現実的で夢を見せてくれない万人ウケしそうな映画、と捉えられる。要は受け手側の捉え方の問題であるのだが、僕個人としてはどれも素直にポジティブに捉えることができたし、実際に面白かったし感動した。

オススメです。