最近、カラー写真よりもモノクロ写真が楽しくなってきました。

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モノクロ写真は、光と影でしか表現されません。つまり濃淡のみで表現された写真です。絵で言うところの水墨画と同じでしょうか。

そんなモノクロ写真は、光と影のコントラストがです。Photoshopで絶対値は無限に変える事ができますが、 光と影の相対的な関係性には限界があります。つまり、どの角度からどれくらいの光をいれて、どの影をどれくらいつけるのか、という事を考えながら撮影する必要が出てきます。もちろん、カラー写真でもそういった事は考えて撮影しますが、モノクロ写真の方が「濃淡のみ」で規定される事から、その重要性はカラー写真よりも高い、と言えます。

そうなると、日中では太陽が重要な役割を担います。太陽の高さ、角度、それらを計算するために、天体としての地球と太陽を考えて撮影します。太陽が南中している時は光も強く白っぽく、直上から注ぎます。皆が大好きな夕暮れ時は、西側から柔らかい光が射しますよね。

夜の撮影では、フラッシュやストロボ、レフ版などが重要になってきます。また、街頭の明かり、月の明かり、角度、位置、強さ、光の入り方、全てが絡み合って、ほぼ場合の数が無限に存在する条件の中、これは!と思うものを見つけ出して撮影できた時の1枚は、感無量です。帰って現像するのが楽しみになります。

このように、光との関係性、その相対性をカラーよりシビアに考えて撮影するのが、モノクロ撮影の第一歩となるでしょう。そしてそれを楽しむ、濃淡というアナログ情報を楽しむ事がきっと何より重要です。

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また、人物を撮影する際にも、モノクロで撮影すると全く違った写真になるのが最近わかってきました。写真が違うのではなく、写真が伝えるメッセージや印象がガラリと変わってくる、モノクロの方がメッセージ性が高い写真となりうる、そういうパターンも存在します。

個人的に、カラーで現像しようと思っていた作品を、いくつかモノクロで現像したらより良くなった、という事もあります。より良いって何なんだ、という話にはなるのですが、個人的により好みな写真になったという事ですね。

そのため、「適当に撮った中からモノクロ映えする写真を選ぶ」能力が、モノクロ写真には求められていると言えるでしょう。

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あとは、その能力が日常にある事だと思います。「おっここからの1枚はモノクロ映えする!」という嗅覚のような感覚が育って来てくれると、より良い写真が撮れる、そんな気がします。

おそらく僕はまだ、その領域には達しておりません。

あとは、とにかく撮ってみる。好きなように撮ってみて、好きなように編集する。それでうまくいかなかったら、とりあえず逆光で撮って、それを編集してみる。そうしてまずモノクロ写真を始める、これが1番手っ取り早いコツかもしれません。