今、遠隔診療という言葉が注目を浴びています。いちいち学校や職場を休んで、病院まで出向いて2時間待ち、5分診察を受けて薬を受け取る。その非効率な過程を取り払うべく、開発された診療です。

これは特に、今現在では放射線科、病理診断科、皮膚科で活発です。中でもとりわけ、近年は「オンライン皮膚診療サービス」が海外で乱立しています。

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First dermは、皮膚のオンライン診断サービスです。サンフランシスコに本社を置き、2012年9月にシードラウンドの出資を受け入れております。

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方法は単純。スマホで写真を撮影、症状を伝えると、皮膚科医から診断がかえってきます。見た目が診断で重用視される皮膚科という性質上、携帯カメラの解像度の上昇、携帯の普及、高速通信技術の進歩、これらにより実現したサービスです。

https://www.firstderm.com/

他にも似たようなサービスとして、Dermatologist oncallというサービスがあります。

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これも、仕組みはFirst dermと変わりません。

https://www.dermatologistoncall.com/

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Icliniqというページでも、同様のサービスを展開しています。

https://www.icliniq.com/ask-a-doctor-online



とにかく乱立しており、ほとんど差が無いように思えます。しかし、実際ニーズがあるからこそ、これだけ同じサービスが乱立しているのであり、実際に利用されているのでしょう。

確かに、僕が商社マンで海外に3年とか行く事になって、いつもの「皮膚科の先生」に日本語でテレビ電話で診断してくれたら、安心感が違う気がします。多くの人が移動する、グローバル化した社会のニーズをとらえたサービスである事は間違い無さそうです。

これを皮切りに、以前紹介したClinicloudのようなサービスも徐々に浸透し、「まずはオンライン診療」というのがスタンダードになる日も、そう遠く無いかもしれませんね。

ちなみに、日本では2016年11月現在、ヒフミルくんという、他科の医師向けに皮膚科医がアドバイスをくれるサービスが展開されております。まだ一般向けにはなっておりません。

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クスリバというのがオープンしたそうですが、これはクローズドなFacebookグループで良いのでは…。

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https://exmed.io/

これも一般向けに展開し始めれば、使う人は結構いそうなイメージです。かかりつけの皮膚科医に月1回かかるより、ネットで済ませて薬を宅配してもらう方がラクですし、忙しい日本人にとってうれしいサービスなはずです。

これは皮膚に限った話ではなく、技術的に可能になれば、確実に便利な方に人は流れます。ただ、皮膚科領域は「診断における見た目の重視さ」が高く、サービスとの親和性が高いだけです。皮膚科から、徐々にDtoP(Doctors to Patients)の遠隔医療が始まり広まっていくと思います(放射線科の遠隔診療はDtoD、Doctors to Doctorsなのでここには含みません)。