世界的に有名なメディアであるWSJ(The Wall Street Journal)のネット媒体をご存知でしょうか。

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一部の記事が有料で、有料会員にならないと記事が読めない仕様になっており、現在「お試し3ヶ月1USドル=100円、」というキャンペーンを打ち出しています。

ここでふと、僕は思いました。

この100円必要か?

たった100円/人を、何人も集めたところで大したお金にはならないでしょうし、何か別な目的がある気がしますね。何が目的なのでしょうか。

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無料の方が人は集まるだろうし、最初のキャンペーンとして人を集めるのであれば無料の方が賢いのではないか。かの有名なウォールストリートジャーナルが、こんなヘマをするでしょうか。

少しの間考えていました。が、むしろこの1ドル=100円が重要な役割を担っている事に気がつきました。



将来の顧客を集めるという事

彼らの目的は、将来的にウォールストリートジャーナル電子版を有料購入し続けてくれる読者を探す事です。

それにはまず、読んで体験してもらう事が大事です。しかし、「ネット媒体にお金を1円でも払う気がない」人に、無料で体験記事を読んでもらっても、将来の顧客を集めるという目的には合致しません。なぜなら、彼らは無料だから登録したのであって、体験期間が終わってしまえば、きっとウォールストリートジャーナル電信版を有料購入して読む事は無い、という人が多い(と推測される)からです。

そこで、あえて1ドルという設定をすることで、無料から有料にします。そうすると、そこで体験期間に入ってくれた人は「有料でも良いから良い情報はネットから買う人」という事になります。こちらの方が、将来的には優良顧客です。

この1ドルは、将来の優良顧客を選定するための網でもあったのではないか、というのが僕の推測です。賢いですね。

ウォールストリート・ジャーナル日本版