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旅に出ると、ふと猫に出会う事がある。

木陰、屋根の下、誰かの家の庭、アスファルトの上、空き地の雑草の中、いたるところに彼らはいる。

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彼らはその土地を自由に、まるで自分の庭のように闊歩している。彼らは孤独で、かつ自由である。

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その土地のカラーが猫にも反映される。貧しい地域の猫は痩せていて餌を欲しがるし、裕福な地域の猫は人懐っこくてぽっちゃりしている。

穏やかな街の猫は平和ボケして偉そうだし、生きるのが大変な街の猫は何かに怯えて、音や人間の所作に敏感に反応する。

世界から猫が消えたなら、そんな本があった気がするが、彼らがいなくなるときっと人間は寂しがる。

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人間には少なからず猫のように生きたいと思う部分があると思う。

猫のように自由で孤独に、ゆえに何の責任も負わずただ自分があるだけ。そんな生き方に憧れる部分が少なからずある。

会社から逃れたい新入社員、
親から逃れたい女子高生、
家庭から逃げ出したいサラリーマン、
子育てから開放されたい主婦、
銀行から遠ざかりたい経営者。

社会的動物とされる人間が、そこから逸脱したくなる時もある。

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それを体現しているのが猫だと思う。

彼らは常に、資本主義社会にまみれた人間の羨望の的である。