医師たるもの避けられないものの1つに当直があります。特に、研修医のうちはER(救急外来)の当直がメインの仕事の1つです。1年で48回当直をしてきて、ここがツラかったなと思い出しながら書きます。
1、 全く眠れない時
当直って実は長くて、大抵17時〜8時とかで13時間もあるわけです。そんな中、患者が途切れずに一睡もできない時はザラにあります。今となっては慣れましたが、最初の頃は眠くて眠くて仕方がありませんでした。
逆に、今は当直が無い日でも夜眠れません。絶対当直に体が慣れたせいです。
2、1人で診る患者数が多い時
当たり前ですが忙しい時とそうでない時があります。ひどい時は1晩で120人とか来る事もあって、最大で1晩ファーストタッチする患者が40人を超えます。仮に13時間まるまるかけたとして、1人に使える時間は20分になります。問診、診察、検査、診断、治療、処方、という流れ全て込み込みで20分です。頭めっちゃフル回転させながら患者さんの話を遮ってでも次に進めないと終わりません。
3、同時に救急車が複数台やってきて、フロアが埋まった時
これ地獄です。僕が今でも身の毛がよだつのが、救急車が同時に4台キュッとER入り口に同時につけた時です。キュッ、じゃねえ!と思いながらも、重症っぽい人から対応していき大した事の無い人はしばらく放置。申し訳ないですがそうするしか方法はないんです。
4、心地よく寝ていたのに、ただの風邪で夜中の3時に叩き起こされた時
今日は落ち着いてるな、と思って12時ごろベッドに入り、朝まで寝れるかなと思いきやピッチがピリリと鳴り、起こされたかと思えば「主訴:のどが痛い」でただの風邪だったりします。何の権利があって単なる風邪っぽいのにこのクソ夜中に受診してんだこのクソ いろいろ思うところはありますが、なるべく不快感を出さずに1日分だけ薬を出して日中にちゃんと受診するよう促して返します。こういう患者に5日分とかちゃんと処方してしまうとクセになって何回も夜中に来ますから。
5、話が飛び飛びで長い方が来た時
おいおい、ここは人生相談窓口でもなければ、俺は相談員でもねえぞ、とのどまで出かかるような時もあります。子供がどうだとか、この前どこどこに行ってそこで誰々が何々の病気でそれがうつったんじゃないかとか、最近夜寝つきが悪いとか、色々とお話したい内容が山盛りの患者さんがもいます。医師は「人生の諸問題を片付けてくれる何でも屋」ではないので、そういった場合ほとんど無力なので、話をフンフン聞いて、満足して帰ってもらいます。
6、顔面に血を浴びて眼に入った時
事実上最も萎えるタイミングです。鼻血、外傷、吐血、などなど体外に血液を排出するケースはERに於いて多々あります。処置中に出血部位に顔を近づけるので、そのタイミングで眼に血液が入るケースはままあります。
ERは誰が何の感染症を持っているかわからないので、こういう感染拡大の可能性があると本当にテンションが下がります。B型肝炎はワクチンがあるから良いですが、梅毒とかHIVとかその他感染症に罹患したらやっていられません。僕はメガネを必ずつけるようにしています。
医師はまだ良いですが、看護師さんは汚物にも汚染される可能性が高いです。便が飛び散ったり、急に失禁して服にかかったり、全然ありますから。
7、遅いと文句を言われた時
全力で仕事をしていて、こちらが忙しい事を大抵の患者さんはわかってくれており、我慢してくれている事が多いのですが、それを我慢できない人も中にはいます。場合によっては看護師さんに暴力を振るったりするため、そういう時の対応は男性医師と警備員で当たります。
これがまた疲れます。 この状況の悪者は、多すぎる患者数に対して医師が少なすぎる事であり、そうさせている国が悪いのですが、なかなかそこまで理解は及びません。仕方がないので病院側が悪いとして、謝ってなだめます。
いかがでしたでしょうか。一般の方からしたら、結構ドン引きなんじゃないかと思う内容も書きましたが、全て事実です。
正直、こんなんでER医師はもちろん、何ならERで呼ばれる大変な科のなり手って本当にどんどんいなくなるんじゃないか、って思います。誰が悪いかと言われれば、まあこの劣悪な環境を放っている国が悪いのでしょう。ちなみに僕は、もうERはこの研修医時代でお腹いっぱいです、おさらばです。
1、 全く眠れない時
当直って実は長くて、大抵17時〜8時とかで13時間もあるわけです。そんな中、患者が途切れずに一睡もできない時はザラにあります。今となっては慣れましたが、最初の頃は眠くて眠くて仕方がありませんでした。
逆に、今は当直が無い日でも夜眠れません。絶対当直に体が慣れたせいです。
2、1人で診る患者数が多い時
当たり前ですが忙しい時とそうでない時があります。ひどい時は1晩で120人とか来る事もあって、最大で1晩ファーストタッチする患者が40人を超えます。仮に13時間まるまるかけたとして、1人に使える時間は20分になります。問診、診察、検査、診断、治療、処方、という流れ全て込み込みで20分です。頭めっちゃフル回転させながら患者さんの話を遮ってでも次に進めないと終わりません。
3、同時に救急車が複数台やってきて、フロアが埋まった時
これ地獄です。僕が今でも身の毛がよだつのが、救急車が同時に4台キュッとER入り口に同時につけた時です。キュッ、じゃねえ!と思いながらも、重症っぽい人から対応していき大した事の無い人はしばらく放置。申し訳ないですがそうするしか方法はないんです。
4、心地よく寝ていたのに、ただの風邪で夜中の3時に叩き起こされた時
今日は落ち着いてるな、と思って12時ごろベッドに入り、朝まで寝れるかなと思いきやピッチがピリリと鳴り、起こされたかと思えば「主訴:のどが痛い」でただの風邪だったりします。
5、話が飛び飛びで長い方が来た時
おいおい、ここは人生相談窓口でもなければ、俺は相談員でもねえぞ、とのどまで出かかるような時もあります。子供がどうだとか、この前どこどこに行ってそこで誰々が何々の病気でそれがうつったんじゃないかとか、最近夜寝つきが悪いとか、色々とお話したい内容が山盛りの患者さんがもいます。医師は「人生の諸問題を片付けてくれる何でも屋」ではないので、そういった場合ほとんど無力なので、話をフンフン聞いて、満足して帰ってもらいます。
6、顔面に血を浴びて眼に入った時
事実上最も萎えるタイミングです。鼻血、外傷、吐血、などなど体外に血液を排出するケースはERに於いて多々あります。処置中に出血部位に顔を近づけるので、そのタイミングで眼に血液が入るケースはままあります。
ERは誰が何の感染症を持っているかわからないので、こういう感染拡大の可能性があると本当にテンションが下がります。B型肝炎はワクチンがあるから良いですが、梅毒とかHIVとかその他感染症に罹患したらやっていられません。僕はメガネを必ずつけるようにしています。
医師はまだ良いですが、看護師さんは汚物にも汚染される可能性が高いです。便が飛び散ったり、急に失禁して服にかかったり、全然ありますから。
7、遅いと文句を言われた時
全力で仕事をしていて、こちらが忙しい事を大抵の患者さんはわかってくれており、我慢してくれている事が多いのですが、それを我慢できない人も中にはいます。場合によっては看護師さんに暴力を振るったりするため、そういう時の対応は男性医師と警備員で当たります。
これがまた疲れます。 この状況の悪者は、多すぎる患者数に対して医師が少なすぎる事であり、そうさせている国が悪いのですが、なかなかそこまで理解は及びません。仕方がないので病院側が悪いとして、謝ってなだめます。
いかがでしたでしょうか。一般の方からしたら、結構ドン引きなんじゃないかと思う内容も書きましたが、全て事実です。
正直、こんなんでER医師はもちろん、何ならERで呼ばれる大変な科のなり手って本当にどんどんいなくなるんじゃないか、って思います。誰が悪いかと言われれば、まあこの劣悪な環境を放っている国が悪いのでしょう。ちなみに僕は、もうERはこの研修医時代でお腹いっぱいです、おさらばです。