AmazonでKindle版が100円以下という破格ででていたので、早速購入しました。タイトルは「時計仕掛けのりんご」です。タイトルだけでも意味不明。

昨日買って早速読み終えました、なんですかね、この気持ちは。

短編集がいくつもちりばめられており、1つ1つの短編集がミステリアスというか、読み終わると不思議な気持ちになります。難解、というわけではないのですが、設定が現代とかなり乖離している(非常に空想的)である話が多く、落ちが読めない。

中にある短編集のうち、1番のおすすめはやはり「時計仕掛けのりんご」です。これは未来を予測したと言っても過言ではないと思います。日本は、少なくとも今の日本は、他の国と比べ危機感やハングリーさのようなものが足りない気がします。まあ高度経済成長で世界2位まで成長し、そうなるのも無理はないと思います。過去に稼いだキャッシュでさらに有利に経済を進め、さらに裕福になろう、とはならない。今の生活に満足し、あとはまあまあ普通に仕事してのうのうと生きていく。そんな雰囲気です。とはいえそんな平和な日本が僕は好きですが。

しかし、この「時計仕掛けのりんご」のように、それを付け狙う悪いやつがいる、という事を示唆させてくれます。手塚治虫の警告なのかもしれません。漫画の「イキガミ」のように、ある種のシビリアンコントロールやプロバガンダとしての政策が、水面下で動いていてもそれに気づかないという事が存分にあり得るのでは?という事です。考えすぎですかね。でも僕は

「みんな”時計仕掛けのりんご”になるな」
 
そう手塚治虫が言っている気がします。