30人に1人、何の数字でしょうか。ざっくり言うと「クラスに1人」です、学級委員長でしょうか?イケメンでしょうか?有名大学に進学できる人でしょうか?
実は体外受精によって生まれる子供の率です。僕はこの数字を見たとき信じられませんでした。小学校のクラスに1人は試験管ベビーがいる事になります。過去の医師国家試験でも、この「1/30」という数字を問う問題が出されており、信じがたいが事実だという事がわかりました。
気になって調べたところ、見つけた厚生労働省の資料によると、2010年では全出生107万人程度に対し、3万人弱が体外受精による出生だったという発表があります。一方2014年9月5日、読売新聞が「体外受精児 27人に1人」という記事を発表しました。日本産婦人科学会が前日に発表した資料を元に作成した記事のようで、2012年の体外受精による出生児は、37953人という発表でした。
これからどんどん増えていく
いくつかの資料を参考にグラフ化してみるとこのようになります。
明らかに出生の数そのものが、高い伸び率で伸びているのがわかります。
こちらは全体の出生に対する、体外受精によって生まれた児の率です。絶対数のグラフより、グラフがやや急峻なのがわかります。(少々わかりにくいですので、具体的な数字を出してみると、2006年と2012年を比べると、体外受精出生数は1.94倍になっていますが、2006年と2012年の体外受精出生率は2.05倍になっており若干の乖離があります。)
これは体外受精の絶対数が増加しているにも関わらず、全体の出生数が減っているためだと思われます。分子も大きくなっているけれど、分母も小さくなっているんですね。結果的に体外受精の出生率の伸びの方が、大きく算出されます。つまり、この「率」のグラフの伸びには「少子化」そのものも寄与している事になりますから、今後もより高い伸び率になると予想できます。
原因と対策
日本産婦人科学会、国立成育医療研究センターのコメントに共通しているのをざっくり言うと
また、不妊治療は「体外受精」以外にも、夫婦間の適合性不一致が原因である場合に選択される「人工授精」という手法がありますが、その人工授精をこの統計が含んでいないという事であれば、自然に妊娠し出生しなかった児の数、つまり「人工授精もしくは体外受精」によって生まれた児の数はもっと多いかもしれません。
参考資料
不妊治療をめぐる現状(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000314vv-att/2r985200000314yg.pdf
体外受精児 27人に1人(読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=104548
わが国における生殖補助医療の現状
http://www.aiiku.or.jp/aiiku/syuppan/boshi66/boshi66_103.pdf
実は体外受精によって生まれる子供の率です。僕はこの数字を見たとき信じられませんでした。小学校のクラスに1人は試験管ベビーがいる事になります。過去の医師国家試験でも、この「1/30」という数字を問う問題が出されており、信じがたいが事実だという事がわかりました。
気になって調べたところ、見つけた厚生労働省の資料によると、2010年では全出生107万人程度に対し、3万人弱が体外受精による出生だったという発表があります。一方2014年9月5日、読売新聞が「体外受精児 27人に1人」という記事を発表しました。日本産婦人科学会が前日に発表した資料を元に作成した記事のようで、2012年の体外受精による出生児は、37953人という発表でした。
これからどんどん増えていく
いくつかの資料を参考にグラフ化してみるとこのようになります。
明らかに出生の数そのものが、高い伸び率で伸びているのがわかります。
こちらは全体の出生に対する、体外受精によって生まれた児の率です。絶対数のグラフより、グラフがやや急峻なのがわかります。(少々わかりにくいですので、具体的な数字を出してみると、2006年と2012年を比べると、体外受精出生数は1.94倍になっていますが、2006年と2012年の体外受精出生率は2.05倍になっており若干の乖離があります。)
これは体外受精の絶対数が増加しているにも関わらず、全体の出生数が減っているためだと思われます。分子も大きくなっているけれど、分母も小さくなっているんですね。結果的に体外受精の出生率の伸びの方が、大きく算出されます。つまり、この「率」のグラフの伸びには「少子化」そのものも寄与している事になりますから、今後もより高い伸び率になると予想できます。
原因と対策
日本産婦人科学会、国立成育医療研究センターのコメントに共通しているのをざっくり言うと
- 妊孕性の低下は母体の高齢化による影響が強いと思われる
- 自然に妊娠しやすい年齢で子供を産み育てる事ができる環境を整える必要がある
また、不妊治療は「体外受精」以外にも、夫婦間の適合性不一致が原因である場合に選択される「人工授精」という手法がありますが、その人工授精をこの統計が含んでいないという事であれば、自然に妊娠し出生しなかった児の数、つまり「人工授精もしくは体外受精」によって生まれた児の数はもっと多いかもしれません。
参考資料
不妊治療をめぐる現状(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000314vv-att/2r985200000314yg.pdf
体外受精児 27人に1人(読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=104548
わが国における生殖補助医療の現状
http://www.aiiku.or.jp/aiiku/syuppan/boshi66/boshi66_103.pdf