この映画のテーマは「信頼」と言っていい。

最初に主人公である絵里香は、高校生の時の彼氏の子供を身ごもるが、彼氏がその事実を受け入れられず、逃げ、他の女を抱いているところと出くわす。話をしようとするも、彼氏は彼女の制止を振り切り突き飛ばし、彼女は頭から流血、けがをおう。この時点で「誰かを信じていれば幸せになれる」と純粋に思っていた彼女の心は死ぬ。堕胎する金が無く、声をかけられたキャバクラで働き始めてこの話は始まる。

「人への信頼」を完全に失った絵里香は、平気で嘘をつき、裏切り、人を陥れ、自分だけ上へ上へと上って行こうとする。そんな中、周囲の人間は結婚するという理由で仕事を辞めたり、大事な人ができたと言って目の前からいなくなっていく。絵里香はそれをバカにしつつも、それをうらやましく思う気持ちがある、というのを水崎綾女の迫真の演技から伺う事ができる。特に、主人公である絵里香は歌舞伎町のナンバーワンになるが、キャバクラを始めた頃からずっと来てくれているお客に対し、もちろん冷たくあしらう。なぜなら彼は確かに足しげく通ってくれる客ではあるものの、VIPとして訪れる社長達とは使う金の額が違うからだ。しかし、彼の絵里香に対する熱心さ、優しさは、昔自分が失ってしまった「人への信頼」からにじみ出る行動であって、その彼に少し心が動く。「もしかしたらこの人となら信頼のある世界で生きて行けるかも」と思ったりする、そんな表情を水崎綾女がうまく描出させている。金(社長)か信頼(その男)か、人間の「信じる事が幸せになれる唯一の道だけど、裏切られるのが怖くて信じる事ができない」という、誰しもが多少なりとも持っている心の葛藤をうまく対比させている。

最後には貯めた金をばらまくシーンがある。それはやはり、金を捨てて信頼の世界へまた戻りたい、そういう彼女の願いだったのだろう。

キャバクラを始め、お金を貯めていざ堕胎するシーンもリアルで、涙を流しながら手術室に入って、あの股を開く器具のついたベッドに寝かされ、麻酔をかけられ意識が薄れていくシーンは、結構精神的にくるものがあった。全体的に絵里香にワンフォーカスして話が展開するため、水商売をしている人の人生を垣間みる事が出来る、貴重な資料だと思う。

ちなみに水崎綾女は ”平成のFカップ” というキャッチコピーで売り出したグラビアアイドルであり、その裸体や濡れ場も見所の1つと言ってもいい。むしろメインと言ってもいい。彼女のような幸薄そうな顔が個人的には好み。いいおっぱい。つまりこの映画は、水崎綾女が好きな人、おっぱいが好きな人、キャバ嬢の半生がどうなっているか知りたい人、おっぱいが好きな人、人への信頼の有無が人生にどういった影響を与えるのか知りたい人、おっぱいが好きな人がみるべき映画だと言えるだろう。

↓400円で今すぐみれるよ