医局に入るべきかどうか

「どういう道を選ぶのがいいのかわからなくなった」という医学生は多いのじゃないだろうか。医局に入った方がいいのか、入らないでフラフラしてた方がいいのか。医局って一度入るとやめると大変そうだし、色々関係無い事やらされそうだし、給料安いし、でも安全といえば安全だし。そういう意味では、若い医師に医局に入ってもらうためには、もはや何もかもをあけすけに話してしまう方が良いと思う。若い医師からすると、医局に入る事をためらう理由としては「入ると大変そうだし入って何が良くて何が悪いのかイマイチわかってない」という人が多い気がする。医局に入るメリット、デメリットを正確に伝えて、将来的にどういうキャリアを積みたい医師なのか、そのキャリアに対して医局が提供する"メリットーデメリット"の値はプラスなのか、包み隠さず伝えてしまう。そして最後に、仮に入らない選択をしたとしても「もし何か困ったらいつでも帰ってきな」みたいな事を言っておけば、心のどこかで入局という選択肢が残る、と私は思う。



未来について予測してみる

確実に言えるのは、これから30年経ったら日本に医師は余っているであろう事だ。団塊の世代が死んだ後は、一気に日本は人口が減少する。疾患も減少する。そういった未来が不安定要素としてあるのだけれど、この不安要素を正しく理解して予測する事が大事だという事まではわかる。ただ個人的には医局に入るメリットはもはやほとんど無い(科によるが)と感じる。少なくとも大学院に行って安い給料で働いて医学博士を取得する事に意義はほとんど無いし魅力も無い。教授になるつもりは元から無いし、さらに大してうまみもなさそうである。ましてや国からの科研費は削られる一方であるから、研究の道一本というのはもはや難しいのではないか。逆に、自分はお金を集めるのが得意だ、いろんな企業や投資家からお金を集める事ができる、という人はある意味光る才能かもしれない。国からの科研費だけに頼らず、自らファンディングしてくる、そういう能力があれば教授としてのカリスマにもなるのかも。
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しかし医者が多くなってしまった未来、患者が集まるのは大きなしっかりした病院であって、そういた病院はやはり医局の影響を受けているだろう。この時代になって働くのを考えているならそれは医局に入った方が懸命かもしれない。



最善は一体何か

個人的に、私はあと20〜30年の間に一生分稼いでしまおうと思っている。財形貯蓄や不動産投資、投資信託で分散しながら資産を形成し、50歳くらいまでに辞める。そのために学生時代に経済の勉強はある程度してあるし、これからも少しずつしていくつもりだ。この方法をとれば、医局に入って嫌々研究しながら安月給で働く事も、20〜30年後の未来への不安も払拭される。個人的にはベストな解だと思っている。もちろん、これは人によってベストかどうかは異なる。私は「家族や友人と共に過ごす時間が多く、経済的に余裕がある人生」を求めている人間なので、この方法がベストだという事になる。やはり今の段階での医師という職業の特徴として、かなり若い段階でのキャッシュが良い、という事はあげられる。総合商社や広告代理店など、高給とされる会社で働くサラリーマンの年齢別の年収を、医師の年収が越すのは40歳程度までらしい。逆に50歳とかになると彼らに圧倒的に越されているようだ。つまりこの若いうちに入る多大なキャッシュを、資本主義の原理にあてはめて年利2〜5%程度で健全に運用する事で資産を形成すれば、おそらく私の望んでいる人生は手に入る、と思っている。

だから若いうちから医局に入らず、ガンガン稼ぐ道を選びたいと思っている。ある程度それに伴って科もしぼっている。いずれにせよ「自分はどうなりたいか」を明確にイメージしている事が大事と言える。